カレンダー
10 | 2011/11 | 12
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
Facebook
最新の記事
プロフィール

加藤 利教

Author:加藤 利教
Katoh's Roomへようこそ!

カウンタ
カウンタ2
現在の閲覧者数:
ブログ検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新聞に載らない内緒話

クリスマス・エクスプレス
 「汽車にあって電車にないものは《未練》である」と書いたのは久世光彦だった。
 「このまま行こうか戻ろうか。発車のベルが鳴っても、まだ間に合うのが汽車だった。ちあきなおみの「喝采(かっさい)」には《動きはじめた汽車に/一人飛び乗った》というフレーズがある。ドアは電動ではないから、未練を断ち切って飛び乗ることもできたし、思い直して飛び降りることもできた」と文章は続く。
 もう少し引用しよう。
 「汽車はスピードが出るまで時間がかかった。追いかけてホームの端ぐらいまでは、並行して走ることができた。白いホームの途切れるところが、未練の切れ目だったのだ」。
 現代は汽車が新幹線に替わり、未練は《出会い》になった。
 夜更けになって、雨は雪に変わった。ひとりぽっちのクリスマスイブ。最終電車―恋人に会いたくて新幹線に飛び乗った。ドアが閉まる。闇を疾走する新幹線。通路の、車窓の暗がりが鏡になって、ショートカットの横顔を映し出す。クリスマスカードにペンを走らせ、コンパクトを開き、つぶやく。
 「チーズ!」。
 列車は駅に着いた。ホームを見渡す。見当たらない。列車が動きだし、赤いテールランプが小さくなる時、彼が右手を振って姿を現す。
 「チーズ…」。
 ちょっと震え声。ぎこちない笑顔。うるんだ目。駆けだして抱き合った。
 ナレーションが続く。
 「会えなかった時間を今夜取り戻したいのです」。
 クリスマス・エクスプレス―。バブル真っ盛りの1988年(昭63)から一時中断を経て2000年まで続いたJR東海のイメージCM。山下達郎のテーマ曲「クリスマス・イブ」にのって遠距離恋愛を描いた。吉本多香美も、牧瀬里穂も、深津絵里も、みんな、とびきり可愛かった。
 携帯電話のない時代。もどかしい恋、心深く秘めた思い。未練より、いい。
 若さって、うらやましい。

スポーツ、芸能情報は日刊スポーツへ。
ご購読申込は朝日新聞飯塚西部販売店もしくは日刊スポーツ販売局0120(81)4356へ


スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。