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新聞に載らない内緒話

再び、東北へ
             
週末、東北へ出掛けてきた。
昨年の3月11日以来1年3ヶ月ぶり、この地を踏むのは7回目である。
行政の用意したボランティア・ツアーで、大ざっぱに言えば、それなりの装備を整え、2泊3日分の食料を携え、わずかな宿泊料(もちろん雑魚寝だが)を支払えば参加が可能になる。
すでにがれきの後片付けは終わっており、力仕事はあるまいと踏んで出掛けたが、あにはからんや津波に踏みとどまった家屋の砂出しの仕事があった。久しぶりにスコップを握り締め、砂を土のうに詰める。震災直後のような汗をかいた。仮設住宅に移り住んだ住民がそれに耐えきれなくなり、辛うじて残った家屋の修繕に乗り出したのだという。
窓ガラスが吹き飛び、ガランとした室内に入ったらスッと、高速の、黒い物体が目前を横切った。
燕である。
雨風を避けた壁上方に、逆三角形の土くれが認められ、母燕は虫を捕らえては飛び戻り、小さなくちばしにエサを運んでいる。古来燕は遙か常世の国から、祖先同様に渡り来る鳥と言われ、長寿と冨貴と恋愛をもたらす神の使者、と聞く。沈黙の風景に、かすかな息吹がふいに表出し、ひと筋の光明を見る思いであった。
細き身を子に寄添る燕かな 
与謝 蕪村に、こんな句もある。
津波と、地震に伴う地盤沈下で、かつての美しい住宅はかき消え、街はいまだ寄せるさざ波の下にある。松並木は寸断され、賑わった駅はすでに高台への移転が決まった。律義に訪れた、飛び交う燕たちが果たして招福の神たるのか、そうあってもらいたい。
土曜日の昼下がり、住民とのランチ交流会を開き、即席のテーブルを挟んで手作りのハヤシライスに舌鼓を打つ。今、必要なのはやはり力仕事ではなく、人と人が集まる当たり前の風景であることは誰でも分かることだろう。
高齢者が大半を占め、かすかに子供たちの声が混じるが、働き盛りの姿はどこにもない。高台に新たな住施設が建設されるというが、足元のおぼつかない多くの彼らにそれがふさわしい環境であるのかどうか、分からない。
そう言えば、行政の企画するこのボランティアも、時の経過とともに毎週開催が月2回となり、定員割れも目立つようになった。今回予定した25人枠も満たすことはなかった。
還暦を迎えたばかりの私はここではまだ若手である。
「ボランティアも高齢化、というわけか」
誰かが、ふとつぶやいたジョークは、とても笑えないのである。

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