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新聞に載らない内緒話

三島由紀夫と日刊スポーツ

新聞に載らない内緒話


 週刊文春5月26日号を見ていたら、グラビアに「三島由紀夫の“こづかい帳”」を見つけた。正確には「会計日記」と呼ばれるものだそうで、今年、同氏の文学館資料から発見された。終戦直後の昭和21年5月から翌年11月までの1年6ヶ月、支出と収入が綿密に記されている。雑誌に掲載されたのはそのうちの昭和21年7月6日から8月2日までの記述である。雑誌を買われた方は見覚えがあるかもしれない。


 東大法学部在籍中のこの間、55本の映画、39の舞台を鑑賞したそうで、当時の学生としてはずいぶんと恵まれた環境にあったようだ。その間に購入した雑誌「文藝春秋」とともに「日刊スポーツ」という文字を見つけてちょいと嬉しくなった。値段は30銭。文藝春秋が5円で、週刊朝日は1円の時代である。


 日本初のスポーツ紙「日刊スポーツ」は21年3月6日に創刊された。三島由紀夫が読んだ新聞は発刊から4ヶ月、まだ産声をあげたばかりだった。当初の発行1万5000部、4ページ建て、一部売りの値段が50銭(月極20円)。ところが氏の記述によれば「30銭」となっている。さてはのっけから売れ行き不振でダンピング? と社史を調べ直して納得した。それというのも戦後復興期を背景に新聞用紙は政府の統制下にあり、小社は十分な紙の供給をうけられなかったようだ。他紙のストックを買い入れたこともあり、紙の購入に多額の費用がかかり、それが一部売り高騰を招いた。しかし、それも同年3月21日に統制が解かれ「日刊スポーツ」は一部50銭から30銭へ、月極も20円が10円へと半額値下げになっている。いかにも時代を感じさせるエピソードではある。


 氏は7月13日と8月2日に「日刊スポーツ」を買っている。さて、どんな記事に興味を持ってもらったのかしらん。早速、資料室のマイクロ フィルムを手繰ってみると、残念ながら両日の紙面は欠損している。さらに8月3日には輪転機の故障で休刊になるなど、昭和21年は結構欠損紙面が多い。その前後の紙面を見ると水泳の「早慶水上」レース、プロ野球は再開し、都市対抗野球も白熱している。意外にも海外ニュースが潤沢で、1面は大リーグ・レッドソックスのクローニン監督の「監督三態」、火の玉投手「ボッブ・フエラー」(表記は当時のまま)の話題など先見の明を感じさせる。それはともあれ、4ページ目には芸術、芸能関係の時評記事が豊富で、氏の興味はこのあたりであったか。


 昭和45年11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺。当時17歳だった私にはその印象が強く、氏の本とは縁が薄い。一枚のグラビアがその溝を埋めてくれそうな気がする。「憂国」などという言葉も一瞬、頭をよぎったが。





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