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新聞に載らない内緒話

本の記憶
  
 読書シーズン―。
 家を新築するとき、書庫が欲しいと懇願したら、愚妻が2階に4畳半ほどのスペースを確保してくれた。大工に頼んで床を補強してもらった。書物の重さに耐えられるよう、備えたのである。学生時代から集めた本があふれている。できれば部屋の四方をを本棚で埋め、本の背表紙を眺めながら眠ってみたかった。
 蔵書家、には遠く及ばないが、恐らく1500冊以上はありそうだ。
 そういえば、江戸時代の蔵書家の一人に塙保己一(はなわ・ほきいち)がいる。国文学者として名高い。幼少時代の病が原因で、7歳の時に失明している。盲目ではあったが、江戸へ出てひたすら学問を学んだ。
 人に本を読んでもらい、それを記憶して、検証、分類する。江戸時代初期までに刊行された史書や文学作品、1273種を収めた「群書類従」(ぐんしょるいじゅう)は41年を費やして収集、編さんしたもので、正編は530巻、666冊におよぶ。
 抜群の記憶力に支えられたその事業であったが、さすがに晩年には衰えた。岡村敬二著「江戸の蔵書家たち」に、こんな記述が見える。
 「ある大名の屋敷で添削をしてほしいという歌五十首を聴き覚えてかえったときのこと、帰宅して記憶を思いおこそうとしてもどうしても三首が思い起こせない、そのとき保己一は家族に向かい、このように物忘れをするようでは今年中に逝くかもしれぬ、と語ったいう」
 「その三首を思い出せず記憶力の衰えを死に結びつけるところなど保己一にとって記憶というものの重大さ、かれの生きる姿勢というものを感じさせる」
 さて、わが家の蔵書である。
 無事新築なって、新居での生活を楽しみにしていた矢先、仙台への転勤を言い渡された。単身赴任の気楽さで本を買い込んだ。2年半ほどで約300冊を読破、再び東京本社へ異動となり、段ボールに詰め込んだ本とともに勇躍自宅へ戻ったが、わずかの間にわが〝書斎〟は当時大学生の、愚息の寝室へと変わりはてていた。
 そして、あふれ出した本たちは今夏、縁あるところへすべて寄贈した。4畳半は今、ガランとしている。

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