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新聞に載らない内緒話

正月風景               

 店に入ったら、女の子たちが紅白の、サンタクロース帽をかぶっている。まだ12月初旬である。「クリスマスの前倒しかい」と冷やかしたら「今どき、12月全部がシーズンよ」とたしなめられた。
 それにしても早すぎないか。
カウンターに座って「前倒しねぇ…」とつぶやいて思い出した。「しめ飾り」の注文を出していなかった。毎年、正月は日本橋の、鳶(とび)の頭(かしら)に頼んで「しめ飾り」をあつらえている。古式豊かなそれは市中の出回っているのとは異なり、ちょいと品の良い造りになっていて気に入っている。まぁ、年に一度の、ささやかな贅沢と思っていただきたい。
 さっそく注文の電話を入れると「そういやぁ、去年は注文がなかったね」とのっけから嫌みを言われた。「へへっ、ちょっとした気まぐれで」と答えておいた。うっかり注文を出し忘れ、慌てて一夜飾りになりそうな時分に手近な店で間に合わせた。
 だからであろうか、この1年はまったく良い事がなかった。暦の「九星」、二黒土星の運勢が悪いことはわかっていたから、極力身を潜めて過ごしたはずだが、家庭内にトラブルは飛び出すし、持病の腰痛は再発、年末は酔っぱらってお好み焼きの鉄板に手をついて火傷まで負った。やれやれ、である。
 余計なことはしないことだ。何事もいつも通り、年を取ったら冒険は禁物である。
 さて、そういえば江戸時代は「しめ飾り」などあったろうか。いくつかの浮世絵を探し、正月風景をながめ直したが目に留まるのは巨大な門松ばかり。大店(おおだな)を描いたものだから、その繁盛ぶりに見合うかのようで、高さ約5㍍ほどの笹を芯にして、根元を松、竹でおおった、見上げるようなものばかりである。黒灰色の瓦群、黒塀に囲まれた江戸の街はモノトーンで、軒並みの笹だけが何本も、すっくと中空に突き上がっている。
 庶民はその門松の前で、振り袖姿は羽根をつき、三河万歳は門付けで、ひょうきんに振る舞う。大店が並ぶ日本橋界わいは呉服の越後屋(今の三越)の店先に着飾った人々が群れ、武士は年始であろうか供の者を連れ闊歩(かっぽ)する。
空は澄み渡り、居並ぶ、巨大な門松の遠くに富士山がくっきりとそびえ立つ。浮世絵師・鳥居清長の「駿河町越後屋正月風景図」(東洋文庫)に見える風景である。
当方があつらえた、大振りの「しめ飾り」はクリスマスの晩、25日に受け取った。知人の分もあるから2つ、肩にかけ自宅へ戻った。
昭和28年生まれの、私の、2013年は年男にあたる。癸巳(みずのと・み)は還暦、そして定年でもある。これからが長いぞ、と密かにため息をついてみる。

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