カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Facebook
最新の記事
プロフィール

加藤 利教

Author:加藤 利教
Katoh's Roomへようこそ!

カウンタ
カウンタ2
現在の閲覧者数:
ブログ検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新聞に載らない内緒話

幸せの由来
              
 日曜日の朝。スピーカーの、ふれ回るアナウンスで目が覚めた。
 「新聞、雑誌、空き缶の回収を行います。玄関前に出しておいてください」
 町内恒例の廃品回収で、毎月第一週の日曜日に行われるのだが、一月は正月休みの関係もあり、月半ばにずれ込んでいる。
土日を休めるようになった数年前から、この回収を手伝うようになった。ボランティアというほど大げさではなく、父親の代から65年ほど住み着いたこの地で、少しは地元貢献でも、という殊勝な心掛け? である。
 これまで、仕事にかまけて町内の仕事は全て家人に押しつけてきた。気が付くと、町はお定まりの高齢化で、鈍重な空気は亀のそれのようである。無趣味の男がこの町で生き永らえるには、今のうちに地元での、人間関係を再構築しておく必要がある。定年という時期を迎えて、そんな打算も働いたのかも知れない。
少しは景気が良くなったのであろうか。正月の祝い酒か、ビールの空き缶が例年になく山ほど出た。圧縮機を使って潰してもビニールの大袋に37個、新聞は小紙を含め(結構読者のいることが分かっただけで収穫である)、業者のトラックに2台分。「古紙の引き取り額がキロあたり2、3円上がったらしいよ」と長老がつぶやく。ささやかな収入ながらこの収入は祭礼の、子供たちのお菓子代、運動会の協賛金、羽根突き大会の景品など町会の活動費へと化ける。
作業が終わると、町会会館で新年会が行われた。地元商店から購入したおにぎり、サンドイッチ、酒などが振る舞われる。〝地産地消〟というわけだ。勧められた酒を拒むわけもなく、午前中からいい調子になってふと時計を見ると正午前である。
慌てて自宅へ戻り、正月飾りを手に多摩川の土手へ酔い覚まし。河川敷で「どんど焼き」が催される。平安時代からの伝統行事だと主催者は自慢げに、うずたかく積み上げられた門松、松飾りが点火され、火柱が天をつく。竹の、パンパンと爆(は)ぜる音が透き通った空気をふるわせて心地よい。
甘酒とお汁粉が振る舞われ、長い行列に並んでいるうちに、火も鎮まり、竹ざおの先にサツマイモをぶら下げた子供たちが焼き芋作りに歓声を上げる。
一月半ばの、晴天の日曜日。十五日の小正月が終わり、大寒を経て、亀戸天満宮のうそかえ神事と続く。もうすぐ、近くの梅園からは梅の便りも届くであろう。
 霞たちこのめも春の雪ふれば花なき里もはなぞちりける
 紀貫之の歌ものどかに三寒四温、いずれ桜の春が来る。
 年明けの恒例行事が粛々と、一方で変哲のない一日が静かに流れてゆく。幸せとは、こういうことなのだろう。冬のぬくもりの中、安堵している。

スポーツ、芸能情報は日刊スポーツへ。
ご購読申込は朝日新聞飯塚西部販売店もしくは日刊スポーツ販売局0120(81)4356へ

スポンサーサイト

コメント

Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。