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新聞に載らない内緒話

がんばろう いいこともあるさ

ジングルベルを聞くと、ちょいと感傷的になる。昭和52年12月24日、私は夕暮れの銀座を歩いていた。どうにも絶望的で、周囲の喧噪を妬むような気分だった。実はほんの1時間前に“就職”を断ったばかりだった。
 オイルショックの余波が漂うご時世で、「氷河期」と呼ばれる今日(こんにち)ほどではないが就職難は明らかで私もある新聞社を受験したが失敗。不景気で採用を手控える会社が多く、大手新聞社の数少ない入社試験は終了していた。「さて、どうするか。就職浪人するしかないか」と腹をくくった時に、大学の先生が“就職”を世話してくれた。名のある新聞社だったが、ただしアルバイトで、という話であった。「こんな時代だからな。とりあえず会社に潜り込んで、それから本採用を目指したらどうだ」というのが先生の勧めだった。かつて名物記者として勇名をはせた先生はさすがに顔が利く。引率され大手町にある新聞社、6階の役員室を訪れた。重役との話はトントン拍子にまとまり、正月2日から働くことになった。
「よろしくお願いします」
私は深々と頭を下げた。傍らの先生も「良かったな。あとは自分次第だ」と声をかけてくれた。とりあえず就職浪人は避けられた。ほっとした気分で重役室の出口に向かおうとした時だった。
「それにしても…」。背後から声がかかった。応対してくれた重役だった。
 「それにしても、もしお前がオレの息子だったらこんな“就職”はさせないがなぁ」
 どういう意味だろう。6階のエレベータが地上に降りてゆく。不景気ゆえの「こんな“就職”」を哀れんでくれたのだろうか。それともやはり就職とは、正面からキチンと入社すべし、という示唆だろうか。1階に着いた。コンコースを歩き正面玄関を出たとき、決断をしなければならない気分になった。先生に言った。
「どうもあの言葉が気になります。先生、この話無かったことにしてくれませんか」
何かに突き動かされた感じだった。
「構わんが、ではどうするつもりだ。年明けに1社だけ、スポーツ新聞の試験があるが、今の状態では宝くじを引くようなものだしな」先生が顔をのぞき込んだ。ただ、これが日刊スポーツに入社するきっかけになった。
12月、師走。私の住む下町の商店街に大きな横断幕がかかった。
「がんばろう。いいこともあるさ」
ふと、あの頃を思い出した。思い通りにならない世の中だけれど、この1年の、区切りの季節が来た。「がんばろう。いいこともあるさ」来年こそ。
ちょいと早いけれど、良いお年を。

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