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新聞に載らない内緒話

飲み干すべき酒 
              
 プラットホームに立ち、電車の進入を待っている。通勤の、ありふれた風景で、今日の仕事の手順など、ボンヤリ考えている。焦点を定めぬ視野に、時折、運転士の顔を確認することがある。
 「あぁ、この人は子供時分の夢を叶えたのかもしれない」
 小さい頃、よく大人に聞かれたっけ。「坊や、大きくなったら何になりたい」
 当時、電車の運転士は野球選手と双璧で、子供たちの憧れであった。今の子供たちはどんな返事をするのだろう。
 ホームからながめる運転士は存外に不機嫌そうで(最近は女性も増えてきた)、まぁ、仕事となればそんなものなのだろう。もっとも運転士がニヤニヤしながらホームに飛び込んできたら、こちらも乗車を躊躇する。
 当方の、将来の希望が運転士であったか、とうの昔に忘れてしまったが、サラリーマンが念願であったはずはなさそうだ。少しずつ大人になる過程で、子供の頃の夢を忘れてしまったのである。別に驚き嘆くこともない。それが人生で、曲折を経て手にした仕事を全うすることが第二の「夢」になったし、凡たる世路の、年輪となった。
「でもなぁ、あの時跳んでいたら」と思わないでもない。例えば、30代の頃だったかもしれない。
「本当に三十代というのは烈しい。で、そのときにはわからない。自分で埋没しちゃっているからね。十年経って振り返ると、えらいことを俺はやってたなということになる。各人それぞれにそういうことになるんじゃないかしらね。
今は君はアニマルであるが人間でもあるんで、やりたいことをやりなさい。後で後悔しなさんな。やりたいことをやりなさい。
グラスのふちに唇をつけたら、とことん一滴残らず飲み干しなさい。
あとで戻ってきても、もう雫(しずく)は残っていない。今のうちに飲み尽くしてしまいなさい。
 まあ、いろいろ修行しなさいや」
 開高健の言葉である。なるほどふり返って、「とことん一滴残らず飲み干し」たかどうか自信がない。しかし、分相応であったことは間違いない。
 どうでもいいか。ここまで歩いてきてしまったのである。
 「こどもの日」が近づいている。未来へ、贈るべき言葉はないが、
 「春風や闘志いだきて丘に立つ」(高浜虚子)
 そんな気分だけは忘れないで欲しい。
 
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