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新聞に載らない内緒話

木の葉髪

 「お前、大人になったら絶対に禿げるぞ」
 中学生の頃、友人たちによくこう言って冷やかされた。毛髪の一本一本が細く、やや茶色で、風にサラサラと揺れたからである。
 別に気にすることもなく、なすがままにしていたが、還暦も過ぎた今でも、多少まばらにはなったが頭上豊かで、友人たちの心配は杞憂(きゆう)に終わった。
それどころか、冷やかした相手の一人はすっかり丸く禿げあがった。
 世間には、よくある話である。
 一方で、50歳半ばから白髪が目立つようになった。そりゃ、司馬遼太郎のような、見事な銀色ならば自慢もしようが、こちらはまだら模様で、ある部分は耳傍で束になり、またある部分は頂きをうつろに染める。
 先日、理髪店へ出かけた。
 ばさばさと切り落とされる髪々を眺めていると、前垂れが、床が瞬く間に白くなってゆく。
 「ストレスでしょうかねぇ」
 と若い理髪師はありきたりの同情してくれたが、「まぁ、そんなところだね」と受け流しておいた。
 ふと、「このはがみ」という言葉を思い出した。木の葉髪、と書く。
手元の辞書には無い。俳句の、冬の季語である。
 晩秋から初冬にかけて、まるで木の葉が散るように、いつもより多く頭髪が抜け落ちる様子を指す。枯れ葉ならぬ、枯れ髪であろうか。
「音たてて落つ白銀の木の葉髪」 山口誓子
なるほどね。「音たてて」が強烈。「白銀」、絶壁なだれ落ちるか。
 「そのむかし恋の髪いま木の葉髪」 鈴木真砂女
 恋に生きた女、ならでは。哀愁もサラリと口にして。
 「ほのぼのと酔つて来りぬ木の葉髪」 久保田万太郎
 浅草の宵月夜。赤ちょうちん、熱かんのぬくもり。雪が舞っていれば、なお良し。望むは酔生夢死か―。
 「冬ざれ」「冬ざるる」。荒涼たる、そんな季節の到来である。一興であろう。
 風邪など召されぬよう。
 
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