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新聞に載らない内緒話

ビーフ・ボウル

9月18日、吉野家の「牛丼」は1年7ヶ月ぶりに復活した。1日だけの限定だったけど。
 1988年1月の終わり、私は仕事で米・ニューヨークにいた。小雪まじり。寒い。2月1日からの海外キャンプを取材するためで、この地は3度目だった。空港で、頼んであったドライバーと合流、ホテルへ向かった。明日はフロリダへ行かなければならない。
 「アメリカにも吉野家が出来たよ。ニューヨークでの1号店だったかな。確かこの辺りにある」
 車はダウンタウンをめざし走った。街中のマンホールの蓋から蒸気が洩れ、すえた臭いとともに白い噴煙を巻き上げている。
「雪も降ったからね。暖房につかうスチームの調節弁から漏れてくるのさ」
「食いたいな」
「?」
「牛丼…」
ドライバーが吹き出した。何を物好きな、いつも日本で食っているだろう。そう言いたげだったが、手慣れたハンドルさばきで車はビルの路地を曲がった。
「ただし、駐車は出来ない。信号待ちだって車を止めれば(強盗に)襲われる。徐行するから、その間に食ってこいよ」
前方に見慣れたオレンジ色の看板が見えてきた。
「ビーフボウル(牛丼)。グッドラック!」
私が牛丼を食べている間、ひと回りしてくる、と言う。時間にしてせいぜい5分程度。その間に牛丼をたいらげ、再び徐行中の車に飛び乗れ、という訳だ。
「了解」
車から飛び出し、店に飛び込む。人はまばらだ。オレンジ色のネオンサインが、路上の雪に反射して、入り口近くのカウンターを赤く染めている。一杯、いくらだったか。5ドルか、7ドルか。注文してすぐに牛丼は出てきたが、半分も食べないうちに背中でクラクションが鳴った。プラスチックのフォーク(箸ではなかった)を放り投げ、店を出た。
 米国滞在中、マイナーの選手と話をする機会があった。ロードゲームの時は球団からミールマネー(食事代)が出る。だいたい20ドル程度。その金で3食をまかなう。1食6ドル平均。小さな街には大したレストランもないし、出かけるにも移動バス以外に手段を持たない彼らは近場の、粗末なジャンクフードで食事を終える。
 ドライバーが聞いてきた。
「米国製ビーフボウル。お味は?」
「バーガーよりは、うまい」

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