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新聞に載らない内緒話

消えた名前

ある地方紙のスポーツ欄に奇妙な記事が掲載された。中学生の運動大会の記録なのだが、優勝者と、3位入賞した選手の名前はあるものの、準優勝した選手の名前、記述が見当たらない。もっとも、その日の紙面には他の大小あまたの、スポーツ大会の記録がぎっしり詰め込まれていて、ザッと目を通したくらいでは、その欠落は気が付かないだろう。
 案の定、読者からの問い合わせはなかったようである。だが、編集した新聞社側はこの体裁による記載掲載に頭を抱えたはずである。なにしろ準優勝した選手自身から記録掲載を断られたのだから。これまでの常識ならば考えられない事態ではある。1、3位だけ掲載して、備考として「本人の希望により」と付け加えるか、それとも大会自体を無視するか。さまざまな論議が社内でなされた。
 関係者は言う。「実は大会前のエントリーの時点から、この選手は実名掲載を断ってきていたのです。それも大会パンフレットへの実名すら断っていたようです。さすがに大会関係者の説得で名前は掲載されましたけどね」。それほどまで記名を拒むのならば、大会自体への出場を断念すればよさそうなものだが、本人は大会に意欲を見せており、関係者は首をかしげるばかりなのである。
 当該の地元紙は当然ながら、その経緯を取材したはずだが、表向きは「本人の強い希望」ということで落着、それ以上はせんさくしなかったということになっている。「しかし、新聞社たるもの、この重要な問題を『本人の希望』というだけで終わらせるはずがない。事情を知っているはずですよ」と関係者は続ける。
 「個人情報」があらゆる事象の免罪符になりつつある。なにか問題があれば「個人情報」である。社会面では珍しくない現象だが、一般事件とは異なるスポーツ面でも、とあれば紙面作りさえ出来なくなってしまう。「名前」がスポーツ記事の見出しになるからである。
 「ところが、これがいかにも現代を象徴するような理由なんですよ。実名拒否の理由が」。当該の選手は母親と2人暮らし。父親の家庭内暴力に耐えかね、2人で家を飛び出し、別の街で暮らし始めた。中学生は新しい学校に通い始め、家庭は曲がりなりにも安定してきた。スポーツにも打ち込める環境が整ってきた。そこで今回の大会出場だった。
 「ただ、新聞に名前、学校などの所属名が出ると父親に所在場所を知られる恐れがある。まさかとは思うが、あり得ない話ではありませんよね」。それ故の実名拒否であった。これがどうやら真相のようだ。取材を進めると、今回のような事象はまだレア・ケースとはいえ、各県でも見られる現象だという。

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