カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
Facebook
最新の記事
プロフィール

加藤 利教

Author:加藤 利教
Katoh's Roomへようこそ!

カウンタ
カウンタ2
現在の閲覧者数:
ブログ検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新聞に載らない内緒話

さよなら 温泉小学校

先日、一通の案内状をいただいた。
 小学校の卒業式招待というもので、正確には「お別れ式」と書かれている。温泉地で有名な箱根に箱根町立温泉小学校という学校がある。その名の通り、校内には温泉が引かれ、子ども達がそれこそ肌の触れ合う「教育」を受けてきた。在校生37人の、この小学校が3月19日に閉校になる。温泉小学校最後の卒業生を送り出す式が、つまり「お別れ式」ということになる。
 昨年、「閉校夢風船」と題して、連載を書かせて頂いた。小学校最後の運動会で、子ども達は100個の紙風船を、校庭から打ち上げた。風船には、学校が今年度で無くなってしまうこと、そしてこの風船を拾ったら連絡が欲しいとの短冊をぶら下げた。そのひとつは相模湾を見下ろす有料老人ホームにたどり着き、もうひとつは伊豆半島の西海岸のゴルフ場に届いた。他にも数カ所、風船は舞い降り、それを拾った人たちと、小学校の間で手紙、メールによるささやかな交流があった。そんなストーリーであった。
 「温泉小学校」というユニークな校名と、「学校が無くなってしまう」という興味から取材を申し入れたのが、昨年9月だった。学舎(まなびや)が無くなるという現実を学校関係者は、子ども達はどう受け止めてゆくのか。しかも、明治6年開校の学校が135年の歴史を閉じようとしている。原稿になりそうだ、と踏んだわけである。
 「学校が廃校になるそうで」と取材を申し込んだら、ぴしゃりとはねつけられた。「廃校ではありません。統合です。学校統合で、新しい学校が出来るのです」と教頭先生は言った。なるほど、廃校とは言葉の響きが悪い。しかし、それは学校関係者の、単なる表現上の見栄のような気がして「それならば廃校という言葉を使わないで原稿を書かせてもらいます。それでいかがですか」。そんな交渉で、昨年10月22日に同校を訪問した。その時は紙風船のことはまったく知らされていなかった。取材をしているうちに前述のストーリーが浮かび上がってきたわけである。
 紙風船を拾った人たちを訪ね歩いて、なぜ風船が飛ばされたのか、そのいきさつを説明する立場にいつしか、なった。「いい話ですね」と誰もがうなずいてくれた。連載が終わった頃、温泉小学校の校長先生から電話をいただいた。その折り、ひとつお願いをした。
 「卒業式に出席させて頂けませんか。取材の締めくくりにしたいのです」。
 そう言っておいたのだが、雑用に追われ、そのことをうっかり失念していた。校長先生は私のお願いをおぼえていてくれたのだろう。早速、出席の電話を掛けると、「あの記事、校内に掲示しました。子ども達も読んでくれてます」と嬉しい言葉をいただいた。
 3月半ばの箱根は、桜の季節だろうか。37人の生徒達とともに、「さよなら」を言ってみたい。

スポーツ、芸能情報は日刊スポーツへ。
ご購読申込は朝日新聞飯塚西部販売店もしくは日刊スポーツ販売局0120(81)4356へ
スポンサーサイト

コメント

Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。